裏ギフト
初とつぐみがそれぞれのスマホで撮影しているのが目に入る。


「暴力は良くないよねぇ?」


「だよね。これ、先生に提出したらどんな処分をくらうのかな?」


初とつぐみが楽しそうに笑う。


「お前ら……」


何か言ってやろう。


そう思った瞬間、パンッと頬を打つ音が聞こえて来て、あたしは自分の右頬を押さえていた。


驚いて見ると、あたしの下敷きになっている結香が手を上げたのだ。


「どけてよ、邪魔だから」


結香はそう言い、あたしを押しのけて立ち上がる。


「制服も貸して。あんたのせいでボロボロだから」


そう言うと、結香はあたしのブラウスに手を伸ばす。


「ちょっと、なにすんだよ!!」


暴れるあたしを初とつぐみが抑え込み、ブラウスが脱がされる。


結香があたしへ破れたブラウスを投げてよこした。


「お前があたしにやった事だろうが」


あたしの耳元でそう言うと、3人は屋上から出て行ったのだった……。
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