裏ギフト
箱と新聞を持ってリビングに入ったあたしは、さっそくその箱を開けてみることにした。


箱は透明のビニールテープが頑丈に貼られていて、素手では開けられそうにない。


テレビの横のペン立てからカッターナイフを取ると、それで箱を開封した。


「は……?」


箱の中を見て、あたしはますますわけがわからなくなった。


箱の中には透明なナイロン袋に入った、真っ白な綿毛のようなものが入っていたのだ。


「なにこれ」


指先でそっとそれをつまみ上げる。


綿毛は手のひらサイズで、まるい形をしている。


ストラップでよくあるポンポンのようだけれど、キーホルダーはついていない。


箱をひっくり返して確認してみるけれど、これ以外のものは何も入っていないようだ。


「意味わかんない」


あたしはそう呟き、ナイロンに入ったままの綿毛を箱へと戻した。


購入した覚えもなく、現金を請求されるわけでもない突然の贈り物。


あたしの住所も書いていないということは、送り主はこの家を知っているという事になる。


一体誰なんだろう?
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