裏ギフト
そう返事をして、あたしはオムライスを口に運んだ。


お母さんに教わったのと同じ味がする。


「なんだろうなぁ。相手が侑理なら可愛い置物とかを想像するけど」


可愛い置物……。


あたしは箱の中にあった綿毛を思い出していた。


見た目は可愛いと言えるかもしれない。


でも置物とは違う。


考えていると、永遠はあっという間にオムライスを食べ終えてしまった。


「どうかしたのか?」


「ううん、なんでもない」


あたしはそう返事をしてオムライスを食べた。


あの贈り物は永遠からではないのかもしれない。
< 49 / 382 >

この作品をシェア

pagetop