天敵なキミに恋をした





その先輩は顧問の宮田先生に相談しに行ったらしく、姿が見えなくなった。




「アルトの子、やめちゃったんだ…」




私がそう呟くとりりちゃんもため息をつく。




「なんでよりによって今の時期に…」




アルトサックス0でコンクール乗るとか無謀すぎる。



まぁ、あの子が乗っていてもたいして0と変わらないのだけど。





「でも良かったのはソロをフルートの先輩に振り分けてたことだよなぁ。」




朝山くんがしみじみという。




ソロというのはひとりでメロディーを吹くことで、この曲、もともとはアルトサックスにソロがあった。




だけど宮田先生が編曲してフルートの亜美先輩にソロが回されたのだ。




< 148 / 320 >

この作品をシェア

pagetop