1周まわって、好きかもしれない。
「瀬見くん、数学の課題やった?」
「一応…」
「問4が分からなかったんだけど、教えてもらえるかな?」
「いいよ、どれ?」
昼休み、河谷さんに声をかけられて、数学の教科書を開く。
「ああ、これはこの公式を使って…」
「あ、そっかぁ!頭いいんだね、瀬見くん」
大きな瞳で見つめられると、男としてはやっぱりドキッとする。
やっぱり、知れば知るほどゆりちゃんみたいだ。
「瀬見くん…の、好きなタイプの女の子ってどんな人?」
「え…あー、なんだろ」
そんなの一択でゆりちゃんなんだけど。
でもゆりちゃんの特徴を言ってしまったら、河谷さんそのままみたいになってしまって、なんか。