今日も上からものを言う。
誤魔化しても無駄だと思って肯定する。
「何で……」
「僕達、付き合ってるから」
急に永瀬くんが私の肩を抱き寄せる。
龍くんを真っ直ぐに見つめるその瞳は、獲物をも射抜いてしまうような強い瞳だった。
龍くんにこんな形で報告することになるなんて。
「文化祭の時から付き合い始めたの……」
重たい空気が流れる。
タイミングが悪すぎた。
「今日は遅いからもう帰ろう!ね!」
その空気を掻き消すように優ちゃんが大きな声を出して、私は優ちゃんに引っ張られるようにこの場を去った。