今日も上からものを言う。
「あ、美桜」
永瀬くんの後ろ姿をボーっと見ていると、突然声をかけられる。
ハッとして横を向くと、額に汗を浮かべてタオルを首にかけている龍くんがいた。
テストも終わり部活も再開したから、最近では放課後一緒になることがなかった。
「部活終わったの?」
「あぁ。一緒に帰るか」
「うん!」
私の返事を聞いて龍くんは笑顔になり、一緒に並んで帰った。
途中、コンビニに寄ってアイスを買ったりといつも通りの雰囲気で楽しかった。
龍くんの隣はやっぱり落ち着くな。
永瀬くんとは大違いだ。
ふと、そう思った。