東京女子、アイドルなう。
東京旅行1day
「暑い…」

そんな言葉も空しく、太陽はじりじりと照りつけている。

夏ってこんなに暑かったっけ…と思わせる程の暑さの中、

私、夢原葵は東京へときていた。

何故こうなったか…それは、1週間前に遡る。

       *       *

「ねぇ葵ちゃん…!」

話しかけてきたのは、同じクラスで私の唯一の友達であり、親友である、染沢心だった。

いや、友達が元々いないとか、そういうのじゃなくて、私が友達をつくらないんだよ。

心しか信用できないし…まぁ、あっちは私のこと友達だと思ってるんだろうけどね…。

「あ、心。どうしたの?」

「あのさ、来週から夏休みだよね!で、初日から東京の方に行けるチケットを当てたんだけど、一緒にどうかな?」

心曰く、テレビを買いかえた時に引いた抽選で、東京に旅館に1週間泊まれるというのが当たったが、親の都合が悪く、誰かを誘っていけば?と言われたらしい。

「そうなんだ!すごいね…!で、でも、何で私?」

「私ほら…人見知りでしょ?だから、あんまり友達いなくて…それに、葵ちゃんとなら絶対楽しいって思ったから!…ダメかな?」

そこまで言われたら、断るわけには行かない…それに、私遊ぶ人いないから1週間暇になるし。

「分かった。じゃあ親に聞いてみるね!」

そして、親に許可をもらい、東京にきているのだ。

最初、1週間!?と驚かれたが、予定も入っていなかったし、東京にはよくいくので、許可が下りた。

…まぁ、親がそういうの軽くokしてくれるような人だからっていうのが一番なんだろうけど。
< 2 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop