オトコなのにオンナ……なのにオトコ!?



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くすっ。



「坊っちゃんどうかしましたか??」



「何でもないから出てけよ」



「失礼しました」



姫奈と樹が……一緒に?テレビ出てるんですけど!!



あー楽しい。


やっぱ言葉のわかるテレビ番組じゃなきゃな?



やれ未成年だとか……いろいろと規制が厳しくてウザい国だけど。



十本木ヒルズの屋上バルコニーで群集を見下ろす。



ずっと寂しかった俺だけど、最近癒しを手に入れたんだ。



「ピエールお兄ちゃん??」



「クミ……あんまり無理しちゃダメだって」



難病の彼女を拾って日本に来たのは気まぐれじゃなくて、弱いものを助けたいって思ったから。



生意気だけど、何にでも一生懸命なあずみと姫奈に教えられた事。



「なんでこのニュースばっかり見てるの?」



録画したDVDを何度も再生する俺が不思議らしい。



「俺の友達だから」



とことことテレビに駆け寄ったクミが指をぴとっと付ける。


「この人??」



「違う」



「この人??」



「そう」



「この人は??」



「その人も」



「お兄ちゃんにはオトコのお友達とオンナのお友達がいるんだね?」



膝にクミを抱きながら、誰にも話したことのない過去を語る。



「オンナだけどオトコなんだよ」



「???」



「でもってオトコなんだけどオンナなんだ」



「よくわかんない」



困った顔のクミの頭をぽんぽんと撫でる。



「結局は、そんなの関係ないって事。見た目じゃなくて人の心を見れる大人になれよ?」



「うんっっ!!!」



「あとは……ありのままでいる事。クミがクミでいる事!」



「クミはクミだよ!!」



「そーだな。その気持ちを忘れるなよ?」



「うんっ♪」


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