狐と嫁と溺愛と
なんだろ、この匂い。



「レモンっぽい…」

「ナナちゃん、爽やかなイメージだからね」

「いい匂いですね」

「毎日つけるといいよ。って、むしろつけといてね?」



なんでそんなにごり押し⁉︎



確かにいい匂いだけど…。



とりあえず頷いて、エレベーターから降りて向かったのはガレージに繋がっているドアだった。



そこにあったのは数台の高級車。



車に詳しくないあたしでも、これが高級車だとわかるくらいのもの。



小さい車から、凄く、大きな車まで。



スポーツカーやワゴン車まで、より取り見取り。



「どれがいい?」

「へっ⁉︎」

「どれに乗りたい?」

「えっと…じゃあ…あの小さいカワイイのが…」

「二人乗りだから狭いよ?」



それは困るかも‼︎



こんなイケメンと密着できない‼︎



「やっぱりこ、このいちばん大きなのがいいですっ‼︎」

「了解、乗りな?」


すごく大きな車を選んでしまった…。



< 28 / 582 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop