狐と嫁と溺愛と
暴走
16


志鬼くんと春乃とお出かけすると約束した日の朝、やってきた春乃と、出かける準備万端の志鬼くん。



そして、妖の姿で優雅にアイスコーヒーを飲む大河さん。



そして、ピリピリムードの千尋さん。



「どうするんですか、社長‼︎」

「どうするって言われてもなぁ、戻れないんだからどうしようもない」

「9時出勤っていいましたよね?昨日の夜、何したんですか?」

「いや、普通にナナを喰っちゃっただけで」

「原因、それでしょうが。神の子ですよ?交われば莫大な妖力が手に入るなんて、常識じゃないんですか?今まではどうしてたんですか」

「昨日が初めてだし」

「妖力、だだ漏れ。高島がビビって近寄れないと言ってますよ」



なんてことだ。



初めての経験を次の日の朝に大勢の前で暴露されるなんて。



志鬼くんは気まずそうに目を逸らし、春乃は何か言いたげにニヤニヤ。



朝から金次くんと秋銀ちゃんは見かけてない。



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