狐と嫁と溺愛と
そのまま眠ってしまい、目が覚めたのは聞き慣れた声。



「あっちの後片付けは順調。蘭月が動いてます。で、当主様には一旦戻ってもらいますけど、ナナはどうします?」

「連れて行く。離れたくない」

「でも今の状態ではちょっと可哀想な気もしますけど」

「ヤダ。離れて何かあったら…それが怖い」



お父さんの声がする。



目を開けると、ぼんやりと見えたお父さんの顔。



助けに来てくれた時、本当に安心した。



「お父さん…?」

「ナナ‼︎無事でよかったな〜…」

「みんなに迷惑をかけてしまった…」

「違う。お前を奪われた俺たちの責任だから」

「誰も傷ついてない?」



聞けば、あたしが攫われてから、あっちとの時間の流れが違うからかなりバタバタしたみたい。



あたしの捜索、天狗からの連絡。



こっちでは大した時間ではなくても、あっちでは長い時間。



ほとんど眠らされてたから、時間の感覚なんてわからなかったけど…。


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