狐と嫁と溺愛と
そんなの全く気にしない大河さんは、あたしの手を引き焼きそば屋さん。



「腹減ってんだろ?」

「うん‼︎」



焼きそばを買ってくれて、ふたりで近くの花壇に座る。



若い時の大河さんって、こんな感じなのか…。



「どんな姿にもなれるんだね」

「いや、自分の見た目以上は老けられない」

「そうなの⁉︎若くなれるんなら老けなくてもいいよね」

「確かにな」



パクパク食べた焼きそば。



最近大河さんがいっぱい食べさせるから太ったよ、あたし…。



「食えるようになってよかったな」

「うん、お腹のお肉が気になるよ」

「健康でなにより」




あたしは由乃さんとは違って、恵まれた健康体。



きっと、由乃さんも辛かっただろうな。



浮気したのは悪いけど、愛した人を怖いと思うことは、きっと辛いよ。



それに、大河さんより先に死ぬの、本当にイヤだもん…。



今を楽しめばいいって思うかもしれないけど、やっぱりあたしと大河さんの未来が…怖いです…。


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