狐と嫁と溺愛と
あっちの世界でいろんなものを見てるから怖くないと思うんだけどな…。



『妖怪屋敷』と書かれた看板の前には雪女っぽい人がいた。



「雪女っているの?」

「いる。惚れた男凍らせまくって、今は刑務所暮らし」

「ごめん、忘れて…」



中に入ると、ちょうちんのお化けがかわいいです。



真っ白な着物を着た女の人に驚かされたり、ゾンビが出てきたり。



「なんだかいろいろ誤解が生じてるみたいだな…」



お化け屋敷を攻略したあたしに、ボソッとひとこと。



本気でショックを受けてる大河さんが面白い…。



「人間からすれば、幽霊も妖怪も一緒なんだよ」

「そうか、残念だ。昔は住みやすかったのに…」

「そう言えば、妖を見る目、くれるっていってなかった⁉︎」

「あぁ、忘れてたな。見たいか?俺の見えてる世界が」



それは興味ある‼︎



勢いよく頷くと、人のいない場所へと連れてこられて。



「がっ‼︎」

「はいはい、喋らない」



ガシッとこめかみを掴まれた。


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