狐と嫁と溺愛と
ご飯を食べ終えてしばらく、迎えに来た村上さんの車に乗り込んだ。



「眠らせる」

「今は大丈夫。もう少し…起きてたい…」



眠ったら大河さんが仕事に戻ってしまいそうで、まだ寝たくない。



さっき眠らされたのは、あたしが酔わないようにだ。



そういう気遣いがたまらなく好き。



「んなぁ⁉︎」

「どうした?」

「村上さんの頭の上に耳が生えてるんだけど‼︎」

「お前…見えるのか…?」



運転してる村上さんの後頭部。



高島さんと同じ、黄色いフワフワの耳がある。



「あのね、産婦人科の女医さんの足も魚だったの。一瞬だけ見えて、この人は人魚かなって…」

「腹の中の子の影響としか考えられない…」

「妊娠してるからってこと?」

「力が強すぎるのか?それとも3人も入ってるからか…」



あたしになんの影響もないといいと、大河さんは言った。



あたし、妖が見えるみたいです。


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