狐と嫁と溺愛と
食欲があまりなくて、シェフが作ってくれたケーキ以外、食べる気になれない。



夕方には大河さんもやっと元の姿に戻ることができた。



「当主様、マジで勘弁してよ。こっちの世界であの姿は怖くて近寄れん」

「お前だって本来は七尾だろう」

「格が違うって。尻尾1本でどれだけ妖力の差があると思ってるんだ」

「また戻れなくなったら、ジローが俺の仕事もしてくれるだろ?それもいい」



大河さんの仕事までしてくれたお父さんが、それの報告にやってきた。



副社長らしいよ、お父さん。



「お金持ちならもう少し贅沢したかったよ…」

「俺の子育ては甘やかさないのがモットーです」

「ウソだ‼︎貧乏生活楽しんでたでしょ」

「あっ、バレてる…」



子育てに向いてないからね、お父さん。



明日から大河さんは仕事に行ってしまうのか…。



その間にあの発作が起こったらどうしたらいい?



ひとりじゃ対処できないよ…。



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