狐と嫁と溺愛と
とにかく、開いた口がふさがらない。



すごいな、この家…。



中に入ったら、どれだけ豪華な調度品があるんだろう…。



あたしの荷物を持った村上さんが、玄関らしき場所であたしを待っていた。



服しか入ってないとはいえ、結構な重量のキャリーバッグを持っている村上さんに申し訳なくて、小走りで彼に駆け寄った。



「玄関は指紋認証で開くように設定されていますので、後で、ナナ様の指紋も登録しましょう」

「指紋…」



ただ村上さんがドアについていたボタンを押しただけ。



それなのに、勝手にロックが外れて、ドアが自動で開いた。



すごい。



お金の無駄遣いだ‼︎



うわぁ…。



「ここがエントランスです」




うちが丸ごと入りそうな玄関。



螺旋になっている階段が、まるでオブジェのようだ。



中も真っ白で、汚れひとつない。



「こちらがお食事を召し上がっていただく場所で、こっちには共有スペースがあります」



村上さん、覚えられないよ。




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