狐と嫁と溺愛と
ショッピングモールにでもあるような地図がほしい。



本気でそう思った時、ひとりの女の人が姿を現した。



「お待ちしておりました、ナナ様」

「は、初めまして…」

「私、ナナ様のお世話を担当させていただく高島といいます」

「お、お世話⁉︎」

「はい、ナナ様の身の回りのお世話を。慣れない場所での生活で、不自由な思いをしないようにと、当主様からのご配慮でございます」



それって、結婚相手ってことだよね?



その相手は姿も見せず、名前も教えず。



だけど、そんな配慮をしてくれるあたり、紳士的な部分があるんだろうとは思う。



どんなオジサンなんだろう。



顔も見たことがない16歳のあたしを嫁にするなんて、きっとロリコ…ンだよね。



せめて優しい人がいいな…。



「ナナ様のお部屋は2階です。ご案内しますね」



村上さんから高島さんに案内役が変わり、ふたりの後を追う。



あたしの部屋があるみたいだ。



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