ミルト

「…なぁ姫喜。

もし来年もお互いに彼氏とかいなかったら
また来ない?」




姫喜は
笑っていた。





「毎年、ボランティアしにくるの?」






いや違うと言おうとして、
言葉を飲み込んだ。







「あぁ、
毎年ボランティアしに来よう」







姫喜につられて
思わず笑ってしまった。







絵馬に書き終えた俺を見て
俺の絵馬に姫喜が何か書いている。














『10時に 桐山 未来花』



『○×ビルの階段横 苗木 姫喜』
                                                                                                                                                                                                                                  








           





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