まだ本当の恋を知らない
向き合うなんて
不意にこのあとはどうすると尋ねられる…

答えに困っていると

「すぐそこ俺のマンション。

お前もいい大人なんだから、覚悟して俺んち来いよ。

ま、覚悟もなにも連れてくつもりだけどさ。」

と、部長は恥ずかしさとあまりに急な誘いに戸惑う私の手をとり、きゅっと指に力をいれた。

その手の心地よさに、思わず握り返してしまう。

この手を離したくない、心が震えるような感覚が私を支配した。

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