冴えない彼はメガネを外すとキス魔になります!
逢いたくない人と遭遇
進藤の車で大きなショッピングモールへ来た。
休日とあって家族連れ、カップル、友達同士と混み合ってる。


「夏希さん、お昼まだでしょ?
僕、ぺこぺこなんです。まず、飯食べましょ。」


「そうだね。」


進藤と入ったのはパスタ屋さん。
ちょうどランチの時間ではあったが、タイミング良くすぐに座れた。
進藤とは『246』で良く飲んだり食べたりしている仲だから、こういった食事の場は自然でいられる。
成二と初めてデートした時も、最初からこんな感じだったよな…。


「進藤、ちょっとちょうだい!」
と、進藤のペペロンチーノをつまみ食いする。


「クリームパスタって旨いんですか?」
と、進藤も私のパスタから一口を頬張る。


「旨い!クリームパスタって旨いんですね!」


「え?食わず嫌いだったの?」


「昔、姉貴が作ったクリームパスタが、すごい味だったんで…トラウマです。」


「進藤、お姉さんってどんな人?。」


「夏希さんたちと同い年です。性格は今日子さんのような感じ。」
と、今日子みたいって…二人で大笑いしていた。
今日子と言えば、大雑把で豪快な姉御肌。


「進藤はよく今日子にからかわれてるよね。」


「姉貴にからかわれてるみたいですよ。」


「お姉さんと仲いいの?」


「二人とも実家を出てしまったので、昔よりは逢いませんけど、逢うと必要以上に絡まれますね。
それに嫁にいったんですよ、最近。」


同い年で結婚かぁ。
そうだよな。
何気ない会話の中に胸の奥にあった小さな傷が少しだけ痛んだ。
あのまま成二と付き合っていたら、今頃、結婚という話も出ていたかもしれない。



「そろそろ、買い出ししよっか!」
と、余計な事を考えないようにテーブルの伝票を手に取って一足先にレジに向かった。
進藤が慌てて追いかけて来て、その伝票を奪いながら笑ってる。


「今日はグランドまで来てくれたから、僕が出します。」


「いいよー、進藤に奢ってもらうなんて。」


「ダメです!」
と、伝票を奪い合いながらふざけていたら、不注意で人とぶつかってしまった。

「あっ、すみません。」
振り向いた途端、私は動けなくなってしまった。
そこには見慣れた二人が立っていたから。



< 27 / 145 >

この作品をシェア

pagetop