君の花嫁~大学生編~


以前からふたりとも見たいと話していた映画を見に行った後、伊織の運転する車でドライブしながら、都外のレストランで夕食をすることになった。

遠くには海が見え、夜景もきれいで私はすっかり気に入った。
食後のデザートも食べ、紅茶を飲んでいると伊織がそういえばと思い出したように携帯を見た。


「俺の方には何もないけど、真琴の方に夏目から連絡あった?」
「うん。あれから肇君に送ってもらって帰ったって」
「そっか。あの二人も煮え切らないよな。外から見ればバレバレなのに、こうも鈍いもんか?」
「まぁねー、でも薫のお見合い話を聞けば肇君も焦るんじゃないかな」
「だといいけど。お見合い話は夏目から話さない限り俺らから出来ないだろう。でも、あいつにはいい薬になるかもな。何も言わなくても夏目が側にいると変に安心しきっている感じはあるから」


伊織は苦笑して外を眺める。
なんだかんだ、親友の恋の行方は気になるようだ。薫も肇も伊織にとっては大事な幼馴染で友達だ。うまくいってほしいのだろう。それは私も同じ気持ちだった。

「あの二人なら大丈夫」そう笑うと伊織も穏やかに頷いた。


「でも、久々に外食もうまいけど、俺はやっぱり真琴の作ったご飯の方が好きだな」


サラッとそんなことを言われ、思わず赤面する。
雨宮家にはお手伝いさんが数人いるから食事や掃除の心配は何もないのだけれど、やはり嫁いだからにはと大学生になってから、食事だけは真琴がするようになった。
そのために、料理教室にも通い、そこそこ上達していた。

それを伊織に褒められ、好きだと言われると恥ずかしいし、本当は飛び上るほど嬉しかったりする。


「じゃぁ、また作るね」


そう言うと伊織は嬉しそうに頷いた。




< 7 / 70 >

この作品をシェア

pagetop