俺様主人の拾われペット





その時

時間が止まったように



俺の心臓が ドキンッ と高鳴る。



別に激しくキスをしているわけでもなく
ただ唇を 重ねただけ


なのに…





すごく気分が 幸せだった。







「………。」







そして体を離して

千夏を見下ろせば




(っ……。)




頬を軽く染めて
またあの 優しい眼差しで

俺を見上げていた。




-----ドクン…





俺はその千夏を見て
名前を呼ぶ。






「…千夏…。」





そう呼べば

千夏は はい… と小さく返事をして
俺を見つめる。





空には花火が上がって

俺たちの顔を照らす。
















「…好きだ。」











-------ドォォォンッ…!






花火が上がる中

俺は気づいたら 千夏にそう言っていて。




音で聞こえなかったんじゃないか


千夏を見れば…







「っ………!!」







頬を染めたまま 目を見開いて
瞳を揺らしながら…俺を見ていた。






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