俺様主人の拾われペット





「……私も、仁美さんが好き…です。」






私は小さく
だけどちゃんと聞こえる声で そう言った。




(っ…い、言っちゃった…。)





そう思って、私がキョロキョロと視線を彷徨わせながら
チラッと仁美さんの顔を見れば




仁美さんは目を見開いて
そしてそのあと顔を紅く染めながら

ハッと手で口元を塞いでいた。






「っ……マジかよ…。」







と小さく呟いたあと






「---!!ひ、仁美さ…?!」





-------ギュッ!!





仁美さんは我慢できない!といった様子で
勢い良く私を抱き寄せる。





「…やべぇ…すげぇ嬉しい…。」





と噛みしめるように呟いて
私をさらに抱きしめる。



私もその背中に
手を伸ばして、抱きしめ返す。






「…私も嬉しいです。仁美さん。」






初めて彼にあった時

出会いは…ちょっと変だったけど


あの日あの時
私の前に現れて 私を救ってくれたのは

もしかしたら…運命だったのかもしれない。





私を家族みたいに
優しく接してくれて

毎日明るく…楽しく生活してこれて

施設を離れても
寂しい思いをしたことはなかった。





それも全部…彼がいてくれたから。

彼と…出会えたから。





私はそんな彼にいつの間にか
惹かれていたんだと思う。







「…千夏。」






仁美さんが私を呼んで
体を離す。


そして少し 見つめ合って






「…絶対幸せにする。」





だから…






「もう…

どんなに嫌がっても
絶対に、離してやんねぇから。」






彼は私にそう言って

また私に キスをした。






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