サヨナラの向こう側
「俺、美久に会いたいからバイトしてるんだぞ」


「えっ、どういう意味?」


「・・・美久ってさ、ほんとニブイのな。


今日だって、一緒に花火見たいから、店長に頼んで調整してもらったり、場所取りも協力してもらったんだぞ」


「うん、楽しかったよ、ありがとう」




「そうじゃねーよ」



そう言うと、慶は急に私を抱きしめた。





夜とはいえ、まわりに多少は人も歩いているのに。


恥ずかしくなった私は、慶を振りほどこうとするけど、びくともしない。





「俺、美久が好きだ」





耳元で言われた言葉が、頭の中で響いていた。


その瞬間、先生の顔が浮かんだ。




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