サヨナラの向こう側
バイクの後ろって、こんなに気持ちいいんだ。


風を感じるし、スピード感が半端ない。


目の前の慶の背中が、大きく見えた。


頼もしくて、大きくて、広い背中。




このまま、慶のことを好きになっちゃうのかな。


まだ、先生以外の誰かを、好きになれそうにないけど。



慶が連れてきてくれたのは、隣の市の見晴らしのいい丘の上の公園だった。


見下ろすと、街の明かりがキラキラとまぶしい。




「きれい」


「だろ?」


「よく女の子連れてきてるんでしょ」


「そんなことしてねーよ。


たまに一人で来るだけ。


大事な人ができたら、連れてこようと思ってた」




< 144 / 270 >

この作品をシェア

pagetop