サヨナラの向こう側
あまりにも近くにいすぎて。


俺も油断してたのかもしれない。


美久はいつだって、手の届くところにいて。


幼なじみっていう恵まれた環境を、打ち破る勇気がなかったんだ。



俺がモタモタしてる間に、美久は皆川を好きになってしまい。


知らないうちに、美久が遠くにいってしまったような気がして。


しかも、慶先輩まで絡んできて。



俺は、どうしたらいいのかわからなくなってしまった。



家の窓を開けて叫べば、聞こえる距離にいるのに。



気持ちはものすごく離れてしまっているようだった。


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