サヨナラの向こう側
そうだったのか。


美久の気持ちを考えると、心配でたまらない。


『わかってると思うけど、美久はニブイから、千広くんの気持ちに気づいてないんだよ。


だから、まずは告白しなよ』



それができてたら、こんなことになってないよ。


そう言い返そうかと思ったけど、怒られそうだからやめといた。



『わかったよ、知らせてくれてありがとな』


『じゃ、健闘を祈ってる』



サバサバしてて、新藤らしいな。


まずは、美久と仲直りしよう。


そう思って、何気なくカーテンを開けて、窓の外を見た。


美久の部屋は、明かりがついていない。


今日もバイトか。


ってことは、慶先輩と一緒にいるってことか。



なんだか、ザワザワした、嫌な気分だった。




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