サヨナラの向こう側
「美久は、誰を選ぶんでしょうね」


「誰も選ばないかもしれないしな」


「慶先輩は、美久のどこが好きなんですか?」


「気づいたら、好きになってた。


千広と一緒に歩いてるのを、よく見てた。


二人だけで話してみたいって思ってた。


だから、バイト先に現れた時は、これは運命だって思ったよ」


「俺は、ずっと一緒にいると思いこんでて、好きだって言わなくても通じてるって信じてたんです。


でも、美久の口からはっきり、幼なじみ以上とは思えないって言ってるのを聞いて。


早く好きだって言わなきゃ、って思ってたのに。


慶先輩とつきあい始めちゃって。


俺は、もう後悔したくないんで」


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