シザーハンズ
「25歳OL、仕事に励む」





「おはようございます」




午前9時
会社のロビーに挨拶の声がこだまする時間。



昨夜は会社の同期と飲み会だったので、なんだか身体が重い。
そして眠たい。
それでも朝はやってくるし、出社時間も迫ってくる。
それが世の中だ。


始業時間まであと30分。
私はいつも決まって30分前には職場に到着する。
昨日が飲み会で遅かろうが、寝坊はしない。


私の働く会社は、主に広告・雑誌を取り扱っていて、私は美容部門の雑誌編集を担当している。
それなりに大手企業とあって会社も40階建ての高層ビルで、最上階は社長が所有し、大部分は社宅として成り立っている。

実家から会社までさほど距離はないので、幸いなことに私は実家通いである。
朝から晩どころか、休みの日まで会社の人間と顔を合わせたいなど、露ほどにも思わない。



最近通勤途中にカフェでエスプレッソたっぷりのコーヒーをテイクアウトで購入することが多いので、例によって手にはアツアツのコーヒーがある。
まだ初春を迎えたばかりの今日はコーヒーがないと立っていられないほど、風が冷たい。



私は会社の一階のエレベータホールで、エレベーターが来るまでの間にコーヒーを投入して身体を温めていた。
そこに後ろから美容部門と同じ階にあるスポーツ部門にいる同期が近づいてきた。
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