~お姉ちゃんの恋人~
「この子が最後、悠里です。」
松谷があたしを紹介しながら席につかせた。
さっきの彼の正面…。
あたしは、顔をあげられない。
みんな、さすがにカラオケって雰囲気じゃない。
テーブルの幅が意外と狭いので、向かい側から彼のらしき声が聞こえてくる。
低い、響くような声…。
あたしは、チラッと彼を盗み見た。
座っているから身長はわからないけど…。
…かなりカッコいい…。
切れ長の目に筋の通った鼻…。
整った顔だちをしてる。
髪型は、サラサラで少し長め。
……王子さまだ……。