~お姉ちゃんの恋人~
わたる君が、両手にグラスを持ってあらわれた。


トレーに載せてこないところが男の人っぽい。


「はい、どうぞ。」


「ありがと…。」


「…………。」


なんだか凄く緊張してきた。


何か話さなきゃ。


聞きたいこと言わなきゃだよ。


焦るほど言葉にならない。


「あ、あの……。」


「悠里ちゃん、あの…。俺さ、こんなこと言うのは初めてだから…なんか…照れるけど…。」



「…?」


まさか…?


「悠里ちゃん、俺と…その…付き合ってくれないかな?」
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