片想い連鎖
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「…ねぇ、お姉ちゃん」
「なにー?恋のお悩みですか妹よ」
さっきはお姉ちゃんに頼ったから。
「お姉ちゃんの話をしてよ」
今度は頼られる番。
「なんのことー?」
「さっき見えたよ…あれ、うちの学校の先生だよね。確か、春日先生」
名前を出すとピクッと反応して、それだけで何も無い、なんてことはないと確信した。
「…あ、あーそんなのいたね!その先生がさっきいたって?気付かなかったなぁ…」
包丁を握る手が震えている。
「お姉ちゃんは隠すのが上手いよね。でも、あたしは妹だよ?お姉ちゃんのこと…見てれば気付くよ!」
「ッッた!」
「お姉ちゃん!?」
慌てて駆け寄ると、まな板に零れる赤色。
一瞬気を失いそうになって、唇を噛んでリビングに走る。
「それ拭いてこっちに来て!」