片想い連鎖



*******





「…ねぇ、お姉ちゃん」


「なにー?恋のお悩みですか妹よ」



さっきはお姉ちゃんに頼ったから。




「お姉ちゃんの話をしてよ」



今度は頼られる番。





「なんのことー?」


「さっき見えたよ…あれ、うちの学校の先生だよね。確か、春日先生」



名前を出すとピクッと反応して、それだけで何も無い、なんてことはないと確信した。



「…あ、あーそんなのいたね!その先生がさっきいたって?気付かなかったなぁ…」


包丁を握る手が震えている。


「お姉ちゃんは隠すのが上手いよね。でも、あたしは妹だよ?お姉ちゃんのこと…見てれば気付くよ!」


「ッッた!」

「お姉ちゃん!?」



慌てて駆け寄ると、まな板に零れる赤色。

一瞬気を失いそうになって、唇を噛んでリビングに走る。



「それ拭いてこっちに来て!」



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