ゾンビバスター~4人の戦士たち~
 なにごとかとそれぞれが、自分の携帯を手に取る。

『休校になったのは返って好都合。この学校を拠点に行動すればいい。和己』

 なんでわざわざメールで送ってくるんだ?
 携帯の画面に映し出される文字に、3人が和己を見る。その3人の顔に浮かんでいる疑問を素早く察知した和己が、再び携帯でメールを作って送信する。
 
『人見知り激しいだけだ。気にするな。和己』

 怪しい……怪しすぎ。
 もし本当に人見知りするような奴だったら、こんな横柄な言葉なんて使わないね。しかも、本人には気が弱そうなおどおどしたところも見られない。気後れしているというよりむしろ、堂々としているように見える。

『追伸:気軽に和己って呼んでくれていい。先輩面するつもりはない。和己』

「和己!」

 教室内に聖の大きな声が響く。
 そのままズカズカと、和己の座るところまで近づいていく。
 おっ男らしくなにかいってやるつもりかな?
 ドキドキしながら聖を見ていると、

「よろしくな!」

 手を差し出して、嬉しそうに握手なんか求めてる。

「………」

 和己のほうも席から立ち上がると、その手を取り握手を交わしている。
 な、なんだ……。
 いきなりフレンドリーな二人に明美はため息をついていると、聖が和己の目の前に人差し指を突き出して、

「それから、明美は俺の女だからちょっかいは出さないように!」

「はぁ?」

「あっ、明美ちゃ……」

 胸を張って堂々といってのける聖に向かって、教壇の机からすべるように降りる明美が勢いよく走り出す。その明美を止めようと、ひとみが手を伸ばすが時すでに遅し。
 ばしんっ!
 聖の頭に向かって手のひらを叩き込んだ。

「きゃっ!」

「きゃっ! じゃない。この単細胞め! 私がいつあんたの女になったのか教えてもらいたいもんだよ。え? 一体いつだい!?」

 男のくせに変な声を上げる聖に、怒りで目を吊り上げた明美が食って掛かる。 
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