ゾンビバスター~4人の戦士たち~
「少し、外に出てくる」
男達に声をかけて校舎から出た。冷たい空気が肌に凍みる。空から降る雪も、気持ちを軽くしてくれない。
「……?」
校舎の周りを一周した所で、見知らぬ人影を見かけた。
この時間、しかもいつゾンビが現れるかもわからないのに一人でいるなんて、気でも触れたのか。
「何してるの?」
鋭く声をかける明美に振り向いたのは、
「おはよう。お姉ちゃん」
無邪気な笑みが浮かぶ、まだ小学校ぐらいのあどけなさの残る少年。明るい茶色い髪はくりくりの天然パーマで、キラキラの大きな瞳は好奇心に輝いている。
か、可愛い……‼
絶対に将来、カッコいい男のコになるに違いない。
気の緩んだ明美が側に近づいていく。
「おはよ。一人で歩くのは危険だよ?」
「危険?」
小首を傾げて問い返す姿は至って純粋無垢。明美は笑いながら少年に目線を合わせるように、かがみこんだ。
「そう。いつゾンビが現れるかわからないんだから。襲われたら大変なんだよ? 危険が迫らない内に早く――」
あどけない笑みを浮かべたまま、両手を差し出してくる少年に言葉を止める。
「危険なのは……」
伸ばされた小さな両手が、明美の首に絡み付く。
「お前のほうだ!」
「‼」
一瞬、なにが起きたのかわからなかった。
自分好みの小さな男のコが、あどけない顔をしながら襲い掛かってきたのだ。
首にめり込む指。今や鬼のような恐ろしい笑みを浮かべ、苦しげに顔を歪ませる明美を見て、楽しんでいるようだ。
な、なんて力……‼
首に掛かる指を解こうとその手を掴むが、一向に離れない。離れないどころか、逆に強まっていくように感じる。
「かはっ……!」
思うように息が出来ない。息苦しい。
そもそもなんで子供にこんな力が!?
霞む目で睨みつけた。
「まだそれほどの余裕があるのか」
少年は楽しげに笑うと、明美の首を絞めたまま腕を持ち上げた。
「死ねっ!」
「ううっ……!」
明美の足が地面から離れる。
男達に声をかけて校舎から出た。冷たい空気が肌に凍みる。空から降る雪も、気持ちを軽くしてくれない。
「……?」
校舎の周りを一周した所で、見知らぬ人影を見かけた。
この時間、しかもいつゾンビが現れるかもわからないのに一人でいるなんて、気でも触れたのか。
「何してるの?」
鋭く声をかける明美に振り向いたのは、
「おはよう。お姉ちゃん」
無邪気な笑みが浮かぶ、まだ小学校ぐらいのあどけなさの残る少年。明るい茶色い髪はくりくりの天然パーマで、キラキラの大きな瞳は好奇心に輝いている。
か、可愛い……‼
絶対に将来、カッコいい男のコになるに違いない。
気の緩んだ明美が側に近づいていく。
「おはよ。一人で歩くのは危険だよ?」
「危険?」
小首を傾げて問い返す姿は至って純粋無垢。明美は笑いながら少年に目線を合わせるように、かがみこんだ。
「そう。いつゾンビが現れるかわからないんだから。襲われたら大変なんだよ? 危険が迫らない内に早く――」
あどけない笑みを浮かべたまま、両手を差し出してくる少年に言葉を止める。
「危険なのは……」
伸ばされた小さな両手が、明美の首に絡み付く。
「お前のほうだ!」
「‼」
一瞬、なにが起きたのかわからなかった。
自分好みの小さな男のコが、あどけない顔をしながら襲い掛かってきたのだ。
首にめり込む指。今や鬼のような恐ろしい笑みを浮かべ、苦しげに顔を歪ませる明美を見て、楽しんでいるようだ。
な、なんて力……‼
首に掛かる指を解こうとその手を掴むが、一向に離れない。離れないどころか、逆に強まっていくように感じる。
「かはっ……!」
思うように息が出来ない。息苦しい。
そもそもなんで子供にこんな力が!?
霞む目で睨みつけた。
「まだそれほどの余裕があるのか」
少年は楽しげに笑うと、明美の首を絞めたまま腕を持ち上げた。
「死ねっ!」
「ううっ……!」
明美の足が地面から離れる。