もう一度君を  この腕に
私は川崎先輩からのメールを見た。

デートの待ち合わせを間違えないように

何度も見てドキドキしては

深呼吸を繰り返していた。

メールでダブルデートだとわかっていた。

先輩の彼女さんってどんな人かしら?

スラリとしたモデルみたいな先輩だから

きっとキレイで上品な大人の女性かもしれない。

私とは違いしっかり者で魅力的な女性を想像してため息が出た。

卓巳さんとの別れが完全に吹っ切れていない自分に

これから紹介される人とデートする度胸もないことに

今さら気付いても遅かった。

やっぱり今日は辞退するべきだ。

私は出かけるギリギリまでぐずぐずと考えた。

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