鬼姫伝説Ⅲ



「ははは。可愛いね、君たち」

「え?」

「はい!?」



おかしそうに笑う琉鬼さん。
なにが!?



「ほら、着せてあげるから中入って」



押し込められるように中に入れられる。




「・・・なんか、由羅ちゃん懐かしい匂いがするね」

「懐かしい?」




帯を巻いてもらっていると、琉鬼さんが静かにそう言った。
懐かしいって、どういう意味だろう。




「うん。懐かしい」

「・・・そうですか?」

「切なくなっちゃうな」




時々、琉鬼さんは少し悲しそうな、切なそうな顔をするんだ。
それは、私のその匂いのせいなんだろうか?

どんな匂いなんだろう。



私は首をかしげた。





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