鬼姫伝説Ⅲ
「ああ。大丈夫、生きてはいるよ。でも、あるところに閉じ込められてるんだ」
「え・・・」
「10年前の戦の時にね。俺たちみんなギリギリの状態だった。でも、そいつがさ取引したんだ。俺たちを見過ごす代わりに、自分を好きにしろって」
「そんな・・・」
「それで、そいつは城のはずれにある場所に、見世物のように捕らわれることになった」
ギュッと帯を締め上げながら琉鬼さんはそう言った。
みんなを護るために・・・。
「助けられないんですか?」
「・・・あいつに、その気がないんだよ。ここに戻っても、あいつが迎えてほしい人はいないから」
「迎えてほしい人ですか・・・」
「そう。心から愛した人。いなくなっちゃったんだ。詳しくは話せないけど。個人的なことだからね。だから、どこで生きていても一緒だって。自分にはその人が残してくれた言葉があるから。どこにいてもそれだけで生きていけるんだって」
切なげに微笑む琉鬼さんを見ていると胸が苦しくて。
きっと、それじゃあダメなんだってことで。
琉鬼さんはきっと、助け出したくて。
それでも、その人に生きてほしくて。
「行きたいです。私も、連れて行ってください」
その想いを、伝えなくちゃ。