極道に愛されて。
「お前の親父に、いや、組長に伝えろ。
“外から壊していく”ってな。」
この言葉で、コイツが極道の男だとわかった
言葉の意味を理解するのに時間がかかった俺の横を、男がスッと通って行った
「待てよ。波留は、組とは何の関係もねぇ。なんで、波留を狙った?」
「言ったろ?“外から壊していく”ってな。」
許せねぇ…
俺や波留は全く組とは関係ねぇ
「ふざけるなっ!」
そう言ってその男に拳を向けたが、避けられてしまった
「極道を相手にその程度で勝てると思うなよ?」
その言葉と同時に、みぞおちに拳を入れられ、その場に崩れ落ちた
そして男はどこかに行ってしまった
俺は無力過ぎた
男を追いかけることもできねぇ、一人の女すら守れねぇ、そんな男だった
その時、俺はなんの意味もない涙を流した
もう冷たくなり始めている波留を腕に抱いて…