極道に愛されて。



この時、俺って馬鹿だなと心底思った


それと同時に泣かないと決めたはずなのに、涙が零れた


少し驚いた顔をした捺希の身体を引き寄せ、肩に自分の顔を乗せた




「捺希。」




「ん?」




「俺は、波留が死んでから、女は作らないと決めてたんだ。
でも、倒れているお前を見て助けなきゃって思った。
きっとその時から、俺の気持ちは捺希に向いていたんだと思う。
そしたら、“死にたい”とか言い出したのをみて、腹が立った。」




「うん。」




顔を見なくても分かるくらい真剣に聞いてくれる捺希に、俺は話し続ける

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