クローバー♧ハート - 愛する者のために -

「ねぇ、一緒に作る?」

「いいの?」



普段は油が飛んだりするから、揚げ物をするときにはキッチンに入らないように言ってある。

だけど悠も、来年は小学生だ。私と一緒なら良いかなと思う。

それに日に日に大きくなっていく悠と、何かを一緒に作れるのなんて

今の内だけだと思うから――。

あ、でも昨日買い物せずに帰ってきたから材料が足りない。



「よし、買い物行こっか」



くしゃくしゃと、彼の髪の毛を掻き撫でて起き上がる。

乱れた髪を手櫛で直しながら「仕方ないなぁ」なんて言う彼の顔が

少し嬉しそうに見えるのは、母親の欲目ってやつかな。


それから手早く出かける準備をして、9時前に買い物にでかけた。

悠を自転車の後ろに乗せ、近くのスーパーへ。

じゃがいもとミンチ肉、それから……人参は、確かまだあったから――。

そんなことを考えつつ、カゴに必要最低限のものを入れていく。

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