思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中








テントに戻ってからと言うものの、どうしても気になってしまう。






「デート……」






「デート?」






「えっ。……なんだ、夕か」





一人、悶々と考えていると、不意に夕が話しかけてくるもので、どきりとする。







「なんだって酷いな~。優那ちゃんがなにか考え事してるから気になっただけなんだよ?」






「ごめん」






「で、何考えてたの。デートとか呟いてたけど。……まさか、誰かとデートでもするの!?」







「決まったわけじゃないけど、もしかしたら……?」







「大事件だよ、それ。で、誰なの?」









「……」








「蒼空?」






首を横に振る。






「真?」





これまた首を横に振る。






「透?」






「っ」





首を振ろうとしたのに、振れない。





その代り、声が漏れる。






「優那ちゃんわっかりやすーい」







「だって……」








「ふーん、じゃあさっき話してたのってそのことなんだ~。なーんか怪しいとは思ってたけど。で、透はなんて?」








「リレーで、透が勝ったら………デートしてくれと」






「へえ。………だってさ、蒼空」







いつの間にかその場には蒼空も居て







「そんなことさせないから」







「蒼空ならそう言うと思った。優那ちゃんのこと大好きだもんね。やっぱり、独り占めはよくない、よくない。____________なんて、思ってないけど」







「ん?」






「なんでもないよ。ってことだから絶対に勝って、透の計画を阻止しようね、蒼空!」







「あぁ、勿論」








「綱引きもあるし、そろそろ行かなきゃだ。ってことで優那ちゃん、ちゃんと僕達のこと応援しててね!」






透と真には悪いけど、やっぱり蒼空と夕を応援しよう……。






決して、透とのデートが嫌なわけではないけど……でも………








でも、なんだろう。





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