思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中



真にいろいろと知られてしまったわけだけれど、だからといって何かが変わったわけではなかった。





「ふっふっふ……これで完璧」



「夕?」



「うわっ!って……なんだ優那ちゃんか」



夕は私だと気付くとほっと一息つく。


「何、それ」



次の授業を目前とした中、夕は一人怪しくこそこそと前のドアで何かをしていた。




「ひ、み、つ。授業が始まれば分かるよ」



「?」




そして授業が始まるチャイムが鳴り、皆が席に座った頃、数学の先生が教室に入って来______



「うぉ!?な、蜘蛛!?」



もちろん偽物。



そして……ばふっとアレ……黒板消しが落下した。


定番の悪戯に引っかかるとは……



「ぷっ」



夕が面白そうに笑う。



他の皆は唖然とするばかりだけど。




「ごほっ……ごほっ………」


チョークの白い粉が舞い、先生は完全にむせていた。


「あっははは!先生頭真っ白!あ、もともとかー!」




「みーなーずーきー!!後で職員室に来なさい!!」



あーあ。


事項自得だ。



「はぁーい」




当の本人はへらへらして、何でもなさそう……きっと呼び出しなんて慣れたものなんだろう。




そして後ろを振り返り、私にドヤ顔してくるんだ。



「ドヤッ」



この一ヶ月間一緒にいるけれど、彼は何回呼び出されれば気が済むんだろう。




しかも呼び出されると知ってどうしてああも嬉しそうなんだか。




謎だ。




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