思い出してはいけないこと(仮)加筆修正進行中
Secret4





夏休みに突入した七月下旬。





来週、私たちは海に行く予定になっている。





追試を受けなんとか補習を免れた真は、無事正気を保っていた。





追試結果を待っていた間の真はまるで、人が変わったようだった。



『筋肉……筋肉……ひぃ!』



と、ブツブツ唱えながら震えていた。



相当、あの筋肉もりもりの先生が嫌なんだろう。



何をされたのかは知らないけど。



「今日は買い物に行こうと思います。ただし、余計な物は買わないこと、いい?」




透の指揮の下、久々に出掛ける準備をしていた。



「はーいっ」




「返事が元気なのはいいけど、夕が1番危ないんだからな?」





「そ、そんなことないもーん」





「早く行こうよ」





支度を終えた蒼空が待ちくたびれたと、透の裾を引っ張った。





同じく支度を終えた私はくるりと周りの3人を見回した。





皆の私服を久々に見た気がして新鮮だ。




お洒落だなぁ。




ふと目に入ったのは蒼空の胸元に光る青い石のペンダント。




綺麗。




「ん?どうしたの」




ジッと見つめていると、その視線に気づいた蒼空が声を掛けてきた。




「そのペンダント、綺麗だなと思って」





「……あぁ、これは、貰い物」




女の子から貰ったのかな。



センスがいい。



「大切な物なんだね」





「っ……うん。優那も、その髪飾り似合ってる」



キラキラとした細かなビーズで刺繍された髪飾り。



「ありがとう。私もこれ、貰い物なの。…………誰に貰ったのかは、わからないんだけど」




そっとその髪飾りに手を触れた。




アクセサリーケースを開けばそこにあって、母に訊いても買った覚えはないとのこと。




ならきっと誰かに貰ったのかもしれない。




例えば、親戚とか。




なんとなく大切な気がして、いつも目の届く場所に置いてある。




これをみると何だか胸がざわつく。




それを今身に着けている私は少し変。




何故なら、今まで1度もその髪飾りを付けたことが無かったから。







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