羽ばたけなくて
「そんな迷惑だなんて思ってない!

 可愛い、かけがえのない弟だよ!」

「じゃあ、なんで大事な大切な弟のことを

 美園と大志に言えないんだ?」

雅也の問いかけに、私は言葉に詰まる。

弟は、ヨウは私にとって大切な宝物のような弟。

純粋で優しくて、いつも思いやりの心を忘れない弟。

自慢の弟なのに、

なんで私は美園たちに言えないんだろう。

やっぱり、中学のあの頃に戻りたくないから?

独りぼっちになるのが、嫌だから?

口をつぐんだままの私に、雅也は静かにこう言った。

「お前自身に“壁”を作っちまったからだろ。」

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