羽ばたけなくて
得意気に言う大志の姿に、

私は心の底からほっとして思わず頬が緩む。

「本当……?」

私の問いかけに今度は美園が笑顔で大きく頷く。

「大志がね、

 お父さんの前で私たちの気持ちをちゃんと言ってくれて。

 側にいた私や新堂さんの手を借りずに

 理解してもらえたの。」

頬を赤らめながら報告する美園から、幸せが滲み出ている。

「じゃあ、もう美園は自由になったのか?」

それまで静かに訊いていた雅也が訊ねると、

美園と大志は顔を見合わせてから大きく1回頷いた。

「もう私、花嫁修業しなくてもいいの。

 お父さんね、大志との仲を認めて、

 そして見守ってくれるって。

 だから、

 これからは放課後だって4人ずっと一緒にいられるの!」

「よかったねー! おめでとう、美園。」

私は感激のあまり思わず美園の手を取りぎゅっと握り締めた。

それに応えるように美園も私の手をぎゅっとしてくれる。

「よかったな。」

雅也も静かに喜びを伝える。

全ての縛りからようやく開放された2人の幸せそうな姿に、

私は心の中で何度も何度も「おめでとう」と呟いた。

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