羽ばたけなくて
差し出された手に、ヨウはにっこりと笑ってこたえる。

がっしりと握り合う雅也とヨウの手。

手だけではなく心もしっかりと結びついているようだ。

「ヨウキくん、ありがとう。

 ヨウキくんのその心が、

 俺の気持ちを気付かせてくれたんだ。」

雅也の言葉にヨウは大きく頷く。

「だって僕、わかってたもん。

 雅也お兄ちゃんがお姉ちゃんのこと、好きだって。」

キラキラと輝くその表情が、とても誇らしげに見えた。

そしてヨウは視線を私へと向けると、

もう一度にっこりと笑った。

「ほらね。僕の言った通りだ。

 正解した僕って、凄いでしょ?」

ヨウの無邪気な言葉に私はふふっと笑みがこぼれる。

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