恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
 その夜

お祭りへと出掛けることになった。

幸来ちゃんは、
水色ベースで青色の金魚がゆらゆら泳いでいる浴衣を着こなしていた。


「どうかな?」


髪もアップにしてとてもセクシーに感じた。


「似合ってる、ちょっと可愛くて直視できない」


「ありがとう。
聖君も似合ってて格好いい」



僕は、
紺の藍霧雨という浴衣にした。



「さぁ、行きますか」


「うん、甘いものたくさん食べたい」


「今回は食べ過ぎないでね」




それから、屋台を廻った。



少し休憩をいれることに――。



「りんご飴美味しい」


「本当に甘いもの好きだね」


「幸来ちゃんも食べる?」


「ありがとう」



りんご飴を渡した。


カリッと食べて、笑顔で


「美味しいね」


と言う姿にドキッとした。



「どうしたの、聖君?」


「うん、何か、ドキッとした。
本当に幸来ちゃんの笑顔には勝てない」


「そっか」



恥ずかしい、別の話題ないかな。

あっ、そうだ。



「そう言えば、りんご飴の食べ方って
かぶり付くんじゃなくて、本当は切ってお皿に盛り付けて食べるらしいよ」


「えっ、そうなの」


小首を傾げる、幸来ちゃん、可愛い。


「うん、まぁ、屋台は外で食べるから切り分けられないから、皆、かぶりつくんだよね。

初めて、知ったとき、驚いた」


「そうなんだぁ」


幸来ちゃんと時間をもっと共有していたい

ずっと一緒にいたいと思った。

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