恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~
「そんなことより、夏休みどうすんだよ」


「どうするって?」


「毎年恒例って感じでいいのか」


「うん、今回は、幸来ちゃんいるし」


「えっ、何?」


あっ、説明しないと。


「毎年、七月中に宿題終わらして、
プライベートビーチ行くんだ」


「プライベートビーチ?

この世界に存在するの?

二次元の世界だよ。
プライベートビーチなんて」


もう、いっくんは僕が説明しようと
思ったのに、けど、幸来ちゃん、
可笑しくなっちゃった。


「プライベートビーチなんて、
安くて買える額だよ。
 
そんなに珍しいの?」


「珍しいって言うか、普通は、
持ってないから」


「誰でもはないと思うけど、そんなに
興奮する」
 

「そりゃそうだよ」


「そういうものなんだ」


「お父さんの所有地とかなの?」


「ううん、僕の」


「えっ……」


僕は、首をかしげた。


「ねぇ、いっくん、幸来ちゃん、固まっちゃったよ」


「まぁ、普通じゃないからなぁ」


どうしたんだろう。


「幸来ちゃん?」


「あっ、ごめん。
どうして、プライベートビーチ
買ったの」


「安くて、綺麗だったから」


どうしたんだろう。

そんなに驚く事かな?


「安くてって」


「◯◯万円」


幸来ちゃんが、固まった。


「あのね、幸来ちゃん。

プライベートビーチの近くで
夏祭りがあるんだ。

だから、幸来ちゃんの浴衣姿みたい」


「うん、着る」


「だから、買いにいく。
僕、プレゼントするよ」


「それは、流石に申し訳ないから」


そっか、少し残念。


「いつもの所でレンタルでいいんだよ。
金の無駄遣いするな」


「幸来ちゃんの綺麗な浴衣姿見るための
浴衣は無駄遣いじゃないから」


「お前は、天然たらしだな」


「えっ」


幸来ちゃんから、湯気が、顔が真っ赤だ。


「綺麗なんて」


あっ、嬉しいんだ。

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