恋色キャンバス~君がおしえてくれた色~

郁磨side クリスマスパーティー

聖達と別れた後、何となく、バルコニーに
出た。

そこには、誰も居なかった。

冬だから、寒くて入れないのだろ。

でも、この寒さが俺は、好きだ。


「何、黄昏てんだ、やっぱり寒いな」


「なんだよ、親父」


「別に煙草吸いに来ただけ、お前も吸うか」


「あのなぁ」


「冗談を本気にするなって、それに
勧めを断るのが十代の役目だろ」


はぁ、何なんだよ。


「何、イライラしてんだ。
不機嫌過ぎだ。
いつもなら隠し通してるのに」


「別に、何でもない」


「郁磨の 別に は、何かある時だ。
まぁ、雫ちゃんのことだろうけど」


「何で、知ってんだよ」


俺、言ったこと、無かったな。


「何年、お前の親をやってると思ってるんだ」


こう言うときだけは、本当に敵わねぇな。


「郁磨、好きな女を手に入れたきゃ、
自分から動くしかねぇぞ。

相手がどれだけ好きって言ってくれてたとしても、言わないと伝わんねぇ。

好きだったら、自分のものにしてみろ」


何で、親父は、今俺の欲しい言葉を
直ぐにくれるんだろう。

本当に、この人には敵わない。


「あぁ、そうだな。
もう、弱気なんて俺らしくねぇ」


「俺の子は、生意気くらいが丁度いい」


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